2021年2月25日(木)~26日(金)、1泊2日で鳴子温泉郷・東鳴子温泉の旅館大沼へ行った。
ひなびた温泉街の小ぢんまりとした温泉旅館の湯治部屋。しかし、増設されているのか、複雑な建物の奥は深い。
食事が質素でお得なプランながら、お湯、浴室、部屋、食事、すべてにおいて満足だった。
行きは早めのチェックインに合わせて、仙台からJRを利用した。仙台発の東北本線から小牛田で陸羽東線に乗り換えて、約2時間半。(高速バスが少しお得で楽だが、チェックインの時間より遅く着く)
陸羽東線は対面の1人席にちんまり座って快適だ。学生さんの多い時間帯だったので、ちょっぴり場違い感あり。
のんびり走る電車でやっと鳴子御殿湯駅に到着。駅前の土産屋なるみで名物の栗団子を購入した。
旅館大沼は駅から歩いて5分ほどにある。部屋に案内され、明るく暖かい部屋でまずはお茶をいただく。湯治部屋とはいえ、立派なテレビもあり、十分な広さがあった。
テーブルの上のお菓子はそのままに、お茶とまだ暖かい栗団子を開く。タレがたっぷりで溢れ出てくる。
2ついただいて、あとは店の女性が言ったように、自宅に持ち帰ってレンチンしていただくことにする。ひとつでかなり食べ応えがあるのだ。
お腹が落ち着いたらゆかたに着替えて、丁子で染めてあるらしいサービスの足袋を履いて、さっそく温泉へ。足袋はとても嬉しいサービスだ。
貸し切りの陰と陽のお風呂をそれぞれ堪能。陰の湯で浄化、陽の湯でエネルギーチャージってところか。
移動して、ふかし風呂でゆっくり休んでから、女性専用風呂へ。その後、ふたたびふかし風呂で休む。
温泉熱で床を温めるふかし風呂は至福だった。さもない狭い一室なのだけど。幸福感は半端ない。
あまり期待していなかった質素な食事プランだったが、野菜中心で十二分に美味しかった。お腹も満たされた。
一人客が多めで、その点でも気が楽に過ごせた。
食後もふかし風呂で横になり、しばらくしてから女性専用時間になった薬師千人風呂へ。この旅で一番気に入ったお風呂だ。
広くて湯けむりが充満しており、男性側の入り口も何も見えない。壁には天女やお薬師様の優しい絵が描かれているのがぼやんと見える。
行ったことがないけれど、極楽にいるような心地よさだった。湯の温度も快適で、いつまでも入っていられるような気がした。
最上階にある陽の湯からは朝日が見えるらしく、陰の湯からは月が見えるのだろうか。
早起きして行ったが、陽の湯には先客がいた。貸し切り自由なので、お邪魔はできない。しかも2人くらい入るといっぱいだ。
朝食前に女性風呂他に入り、温泉を満喫した。朝食にも満足して、帰りは高速バス。宿から5分ほどの場所に停留所があるのでとても便利だ。
少し時間があったので、温泉神社をお参りした。とはいえ雪道なので、麓から軽く参拝。バス停に戻り、帰りたくない気持ちを飲み込んでバスへ乗り込んだ。
ちなみに、温泉の泉質は、自家源泉の純重曹泉と、共同源泉の含食塩・芒硝重曹泉とのこと。
美肌、美人の湯と呼ばれる泉質だろうか。重曹泉の後に含食塩泉の方に入ったほうが効果的には良いと思われる。
クレンジング効果→リンス効果。(泉質についてHPを見たら、どちらにもナトリウムが含まれるらしく、リンス効果もあるようだ)
一人部屋、小さな浴室、ふかし風呂、どれをとっても、胎内回帰願望が満たされるような癒しの空間だった。
〈場所の情報〉
東鳴子温泉 旅館大沼
〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉赤湯34
おまけ(動画)
天井と灯りの場面は、寝転がった状態でのふかし風呂の様子。床下の温泉の滴る音入り。温泉神社の様子もあり。

2022年8月28日(日)~29日(月)
再訪。
(若いスタッフさんから、写真撮影の許可を得た)
駅前のなるみで饅頭を2つ買って行った。旅館のお菓子も美味しいのだが、これらの饅頭はあとを引く美味しさだ。
今回は、前回入らなかった離れの貸切露天(母里の湯)貸切り付きプランにした。すばらしい庭園露天風呂だった。
1泊1組1回、貸切り時間はたった30分ではあったが、素敵な露天風呂を独り占めできてとても贅沢な時間を過ごすことができた。
食事は前回より品数が多いプランだったか。ほどよい量で健康的だ。
湯気が上がっていると幻想的な混浴大浴場「薬師千人風呂」。女性専用時間帯もある。
湯治棟の最上階にある貸切りの陽の湯。日の出が見える朝風呂が気持ちいい。浴槽内に備長焼竹炭が練り込んであり、お湯が滑らかになるのだとか。
2022年末からリニューアルしていたらしく、宿泊プランの料金が上がったような気がする。お得な連泊湯治プランが復活してほしいところだ。
自分へのご褒美にピッタリの、女性1人旅にも安心できる宿の1つである。
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