2022年12月9日(金)~10日(土)
宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の、輪りんの宿(りんりんのやど)へ行ってきた。
上の写真の対岸にポツンとあるのが、そのお宿。名取市サイクルスポーツセンター隣接の宿だ。
写真のこちら側は、飲食店と土産店が入ったメイプル館。(別記事で風景の見える…で書きます)
JR名取駅から地域バス「なとりん号」で宿へ行く前に、名取トレイルセンターで下車。センターを見学し、となりのメイプル館で昼食。
名取市閖上は、東日本大震災の津波被災地だ。周辺は、震災メモリアル公園になっている。少し歩いて、閖上日和山の神社を参拝。小さな山の上には、慰霊碑もあった。
輪りんの宿に宿泊すると、サイクルスポーツセンターのサイクリングロード(4km)をレンタル自転車で走れるサービスが2時間分付いている。好きな自転車に何度でも乗れる。
日暮れが早いので、チェックイン前に利用することにした。サイクリングロードは、目の前の広浦と遠く蔵王を望む場所以外は、防砂林の中を走るワインディングになっている。
宿のフロントも、サイクルスポーツセンターの受け付けも、気さくなスタッフさんだった。
クロスバイクと電動自転車を借りて、コースを2周した。30分ほどで切り上げたが、残り時間を翌日に繰り越すことも可能だ。
海は見えないけれど、空は大きく、ときどき近くの仙台空港へ発着する飛行機が飛ぶのが見える。
宿へ戻り、さっそく温泉へ。浴室では、立ち上がらないと風景は見えない。露天風呂からは空が見える。
泉質は、ナトリウム・カルシウム – 塩化物泉。効能は、関節痛、冷え性、切り傷、婦人病など。
女湯前の休憩室が素敵だ。スタンド付きのカウンターで読書。閖上海岸が見える。
11年ほど前に、津波が襲った場所だけど、宿は照明が凝っていて、暗い気持ちにはならずに過ごせる穏やかな雰囲気だ。
さて、夕飯。地元の有名レストランが入っている。「閖上港食堂HACHI」だ。幕の内弁当風の夕食。
素泊まりで、レストランメニューを個別に注文しても良いらしい。
レストランからは広浦と名取市の町を経て、うっすらと雪をかぶった蔵王が見える。
朝は、サラダとスープと玉子とドリンク。パンを選んだが、カレーライスを選ぶこともできる。
部屋からも海が見える。広浦と蔵王の見える部屋もある。自分の自転車を部屋に持ち込んでもOKらしい。
自転車乗りの宿なのかというとそうでもない。一人旅の人もちらほらといらした。日帰り温泉もやっている。
屋上からはほぼ、四方が見える。一日目は部屋から、月を見た。二日目の朝は、太平洋から上る朝陽と、朝日に照らされて白く輝く月を見た。
チェックアウト前に散歩に出たが、海岸へ出る道は無いそうだ。名残惜しさを感じながら、朝風呂の後に、名物のかりかりしらすソフトを食べた。
たった2日間だったが、自転車で風を感じ、読みたかった本を読み、温泉に入り、海や遠くの山を見て、美味しい食事をして、ゆったりと過ごしてきた。
3.11の津波の被害を思い出しながらバスで揺られて行ったその宿は、思いもよらず、何もかもがなんとなく最高の宿だった。
(宿の情報)
名取ゆりあげ温泉 輪りんの宿
〒981-1213 宮城県名取市閖上東須賀2−20
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